活動/イベント 懇話会 活動報告
2015年度第1回懇話会(「社会的レジエンス」研究プロジェクト)報告(2015/11/21開催)
2015年11月30日
開催概要
開催日時:2015年11月21日(土) 15:00~17:30
場所:南山大学 名古屋キャンパス R棟3階 R32教室
演題:歴史家からみた環境問題:森林・市場・国家
報告者:斎藤修(さいとう・おさむ)(一橋大学名誉教授)
略歴:1946年生まれ。1968年慶應義塾大学経済学部卒、同大学経済学部助手。一橋大学経済研究所教授等を経て、2009年より一橋大学名誉教授(経済学博士)。2010年、日本学士院賞および紫綬褒章を受章。
趣旨
ジャレド・ダイアモンドの『文明崩壊』は、人間社会の環境問題への対応とその相違がいかなる帰結をもたらしたかを描きだした好著と評価されています。しかし、近代に先立つ時代の存在感が全体として薄く、また市場の力と国家の営為が峻別されずに議論が展開されているため、現代的課題との関連が分かりにくいという問題も指摘されています。今回の懇話会では、経済史の専門家である斎藤修先生をお招きし、国家と市場の役割・機能という切り口から、近世から近代へかけての森林の「大崩れ」を回避させた要因と、ダイアモンドの日本理解の妥当性に関して、ご著書『環境の経済史――森林・市場・国家』(岩波現代全書、2014年)の内容に基づきながらご講演頂きます。斎藤先生のご講演を受けて、「大崩れしない社会」の実現に向けて、私たちは市場と国家の役割をどのように考えればよいのか、議論を深めたいと思います。(南山大学社会倫理研究所では、2016年度より、「レジリエンスの社会倫理的基盤構築」を研究所が取り組む共通テーマとして掲げ、そこに連なる幾つかの研究プロジェクトを実施していく予定です。今年度は、それらの研究プロジェクトに向けた懇話会を数回開催していきます。今回は、「社会的レジリエンス」研究プロジェクトの第一弾となります。)
コメンテータ:篭橋一輝(かごはし・かずき)(南山大学社会倫理研究所第一種研究所員/経済学部講師)