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南山大学社会倫理研究所主催「レジリエンスの社会倫理的基盤構築」シンポジウム2016
2016年11月07日
南山大学社会倫理研究所主催「レジリエンスの社会倫理的基盤構築」シンポジウム2016
下記の通りシンポジウムを開催致しますので、ご案内申し上げます。 どなたでも参加は自由(無料)です。出席されます場合は、事前に受付フォーム(11/14受付開始)よりご連絡いただけると幸いです。(当日参加でも結構です。)
日時 | 2016年12月3日(土) 13:30~17:00(13:00開場) | ポスターを見る |
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場所 | 南山大学 名古屋キャンパス R棟4階 R49教室 アクセスについてはこちらをご利用下さい。 |
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全体テーマ | 人は自分を救えるのか?―自助と支援を考える | |
趣旨 |
人生において様々な課題が生じたとき、専門家を中心とする他者からの支援が求められることは多いが、他方で、同じ課題を抱える当事者同士でその課題に向き合おうとする取り組みもまた存在する。こうした取り組みは、自分の身を自分自身で助けるという意味で、「自助」と呼ばれる。私たちは、通常、できるならば他の人たちに迷惑をかけずに自分の力で何とかしたいと考える傾向があり、また、「支援のコスト」が口にされる場合には、社会的にも「自助」が推奨されることは少なくない。他方で、そうした傾向に対して、問題への対応を当事者に丸投げして然るべき支援を怠る「自己責任論の陥穽」を指摘して批判的に捉える向きもある。そこでは、「自助」について一体何が問題とされているのだろうか。また、他者からの支援を受けずに、同じ課題を抱える当事者のみでその課題に向き合っていく取り組みにおいて、「自助」という考え方はどのような意味をもってどのように位置づけられるのだろうか。そして、その取り組みは、当該課題の解決にどのように結びつきうるのか。要するに、人は自分で自分を救うことができるのだろうか。 現在、日本には、アルコール、薬物やギャンブルの依存症患者、自殺で家族を失った人たち(自死遺族)、犯罪被害者・犯罪被害者遺族、被害者、高齢者などの当事者が中心となった様々な自助グループが実際に存在し、活動している。しかし、その運営手法は一様ではなく、たとえば、会場の確保や運営をすべて当事者のみで行うグループもあれば、会場手配や運営費等については行政等からの支援を受けるグループも存在する。こうした多様な取り組みのあり方を考慮すれば、「自助」として一括りにしてしまうことは問題の核心をつかみそこねることにつながるように思われる。そうだとすれば、私たちは、数ある取り組みの実情に即しながら、「自助と支援とその間」について改めて考え直してみる必要があるだろう。 そこで本シンポジウムでは、アルコール依存症患者、薬物依存症患者、自死遺族それぞれの自助グループに特に注目し、その活動状況を踏まえ、自助グループが運営上抱える課題の共通項・相違点を明らかにすることを通じて、「自助」と「支援」の概念について捉え直してみたい。 |
演題1 | アルコール依存症患者の自助と支援について | |
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報告者1 | マイケル・シーゲル(南山大学社会倫理研究所 客員研究所員) | |
演題2 | 薬物依存症患者の自助と支援について | |
報告者2 | 和田 清(わだ・きよし)(埼玉県立精神医療センター 部長) | |
演題3 | 自死遺族の自助と支援について | |
報告者3 | 川野健治(かわの・けんじ)(立命館大学総合心理学部 教授) | |
コーディネータ | 森山花鈴(もりやま・かりん)(南山大学社会倫理研究所第一種研究所員/総合政策学部講師) |
報告者紹介 | |
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マイケル・シーゲル | |
《略歴》 | 1947年生まれ。オーストラリア出身。1968年Divine Word College卒業。1973年Catholic University of America(米国)哲学科修士課程、1974年Washington Theological Coalition 神学科修士課程修了。1993年Birmingham University神学部博士課程修了。Ph.D(Theology)。カトリック信徒宣教者指導司祭、神言修道会アジア・太平洋ゾーン正義と平和コーディネーターなどを務め、2003年より南山大学社会倫理研究所第一種研究所員(総合政策学部教授)。2015年より南山大学社会倫理研究所客員研究所員。アルコール依存症問題には40年程前から関わる。 |
《主要著書》 |
『聖書がみる現代』(ヨルダン社)、『福音と現代』(サンパウロ)他多数。 |
和田 清 | |
《略歴》 | 1955年生まれ。1980年千葉大学医学部卒業。医学博士。総合病院国保旭中央病院、千葉県精神科医療センター等を経て、1989年より国立精神・神経センター精神保健研究所勤務。1991年科学技術庁中期在外研究員として渡米し、Addiction Research Center, National Institute on Drug Abuseへ赴任。1996年より国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長。薬物依存の研究に取り組む。2015年より埼玉県立精神医療センター部長。 |
《主要著書》 | 『依存性薬物と乱用・依存・中毒』(星和書店)他多数。 |
川野 健治 | |
《略歴》 |
1962年生まれ。1986年名古屋大学教育学部教育心理学科卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。早稲田大学博士(人間科学)。東京都老人総合研究所研究員などを経て、2006年より国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センター自殺対策支援室室長。自死遺族支援研究・自死遺族支援ニーズ調査などの研究に取り組む。2016年より立命館大学総合心理学部教授。 |
《主要著書》 | 『間主観性の人間科学』(共著、言叢社)、『身体から発達を問う』(共著、新曜社)他多数。 |
主催 | 南山大学社会倫理研究所 |
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連絡先 | 南山大学社会倫理研究所 〒466-8673 名古屋市昭和区山里町18 Tel: (052)832-3111(内線3413,3414) Fax: (052)832-3703 E-mail: ise-office@ic.nanzan-u.ac.jp |
*本研究所主催シンポジウムでは、講演録作成のために写真撮影と録音を行なっております。 |