研究活動 定例研究会
2013年度 第3回定例研究会
日程 | 2013年10月23日(水) 18:30-20:00 |
会場 | 南山大学 名古屋キャンパス D棟4階 D43教室 |
発表者 | 金田 裕子氏(人文学部心理人間学科講師) |
タイトル | 「教室の複雑さと可能性を描く:参加構造の視点から」 |
内容等 | 授業は、ある学習課題に関して知識の意味が構成され伝達される認知的な過程であるだけでなく、同時にその知識と言語を媒介として教室の参加者たちの間に対人的な関係が構成されたり、修復されたりする社会的な過程でもある。このように学習の過程に伴っている参加者たち(教師と生徒たち)の社会的な関係に着目したのが、参加構造(participation structure)の研究である。参加構造とは、授業の会話で「いつ、だれが、誰に、何を話すことができるのか」をめぐって教師と生徒たちが形成している役割関係を指す。参加構造に着目すると、授業の会話の一つ一つのやり取りにおいて、教室に特有の「教える-教えられる」という教師と生徒たちの関係が形成されていることが見えてくる。一方で教師はそのような社会的関係を固定化しているばかりではない。教師は、まさにその授業の会話において、子どもの学習経験の多層的な側面に即興的に応答しながら、教師と生徒、生徒同士の関係の編み直しを試みている。 |