「個人の知能の総和以上のものが，グループの相互作用によって発生するのか」という問いは，多くの人々の関心を惹きつけてきました。「1つのグループが 様々な課題で成果を示す度合いを測定し，将来，異なる課題でも，そのパフォーマンスを予測できるようなもの (集団的知能; collective intelligence) を想定できるか」という問いの元，Woolley et al. (2010) は，個人における一般的知能 (general intelligence) と同じように，一つの因子にまとまる集団的知能が存在することを報告し，さらに，この集団的知能が "目から感情を読む力" として測定される社会的感受性 (social sensitivity) と関連があることを報告しました。本発表では，その発想に基づき収集した小集団の実習 (コンセンサス) のデータを提示し，検討を加えることを通して，集団的パフォーマンスの科学構築へ向けた新たな切り口を探りたいと考えています。