「幸せ」という言葉は，一般に多用されているものであり，また古くより人間にとって重要な意味を持つものと指摘されてきた。しかしながら我が国の心理学研究において，「幸せ」という言葉はほとんど注目されていない。「幸福感」や「well-being」， 「happiness」，「生きがい」などの概念は注目されているが，なぜかもっとも日本人に 身近と考えられる「幸せ」という概念は研究の中で扱われていないのである。今回の 発表では，この「幸せ」という言葉にこだわり，関連する諸研究，また女子中・高校生に対して実施した調査結果を踏まえながら，「幸せ」という概念について考えていきたい。