公開講演会
2014年度 公開講演会(春学期)
演題 | 死を背負って生きる |
講師 | 柏木哲夫 氏 |
日程 | 2014年7月7日(月)18時30分~20時30分 ※受付18時~ |
会場 | 南山大学 R棟 フラッテンホール |
チラシ | |
参加費 | 無料 |
概要 | サマセット・モームが残した有名な言葉があります。「この世には多くの統計があり、その中には数字のまやかしも存在する。しかし、絶対に間違いがない統計がある。それは人間の死亡率は100%であるという統計だ」というのです。確かに人間の死亡率は100%、この世に生を受けた人は一人の例外もなく、死を迎えます。 しかし、私たちは日常生活で、自分の死について余り考えないのではないでしょうか。特に若い時は、やがて死ぬということは観念的にはわかっていても、死は遠くにあるもの、すなわち生の延長上に死があると思っているのではないでしょうか。老人になって初めて死を身近に自覚するようになるのかもしれません。 私はこれまでにホスピスという場で約2500名のがん患者さんを看取りました。その経験から感じることは「人間は死を背負って生きている」ということです。「定年後、夫婦揃ってゆっくりと温泉へでも行きたいと思っていた矢先に夫が癌で倒れました」と、ある中年のご婦人が言われました。私はこれに「矢先症候群」という名前を付けました。生の延長上に死があると思っていたのに、実は死を背負って生きていたことがわかる訳です。 |
講師プロフィール | 学校法人 金城学院 学院長 淀川キリスト教病院理事長 淀川キリスト教病院名誉ホスピス長 大阪大学名誉教授 ホスピス財団理事長 |