人類学研究所概要
人類学研究所とは
南山大学人類学研究所は、前身の名古屋外国語学校から南山大学が創立された1949年9月1日に設立され、当初人類学・民族学研究所と呼ばれていましたが、1954に人類学研究所へと名称が変更されました。本研究所は神言会員でアントロポス研究所(現 ドイツ)のW・シュミット博士の系譜を継承すべく設立されて以来、60年以上の伝統をもつことになります。当初は民族学、形質人類学、言語学の専門家が共同する総合人類学を目指していましたが、1978年の改組以後は、主にアジア諸地域の伝統的民族文化を研究対象とし、宗教の人類学的研究を中心とする特定テーマの比較研究を実施してきました。
その後、本研究所は2009年に60周年を迎えたことを期に新たなスタートを切りました。人類の長期的で総合的な理解に向かって文化人類学と考古学の積極的な融合をはかり、地域もアフリカ、オセアニア、あるいはアメリカ大陸など加え、グローバルな視野で現在人類が直面している諸問題を根本的に検討するという目的のもと、研究活動を行っています。
本研究所は人類学という名称を冠する日本では数少ない研究所です。人類学とは、人類を時間的にも空間的にも幅広い視野で研究するという基本姿勢のもと研究対象を求める学問です。この目的のために、南山大学の人類学博物館とも積極的な連携を図っていきたいと考えます。
今までの研究所の成果は、『南山大学人類学研究所叢書』や『人類学研究所通信』によって公開されています。2010年度からは、『年報人類学研究』を査読付きで外部からの投稿も可能な学術雑誌として新設し、人類学研究の発展に寄与しています。また、英語雑誌"Asian Ethnology"(旧"Asian Folklore Studies")の編集・刊行をとおして、アジア研究の成果を世界に広める役割も担っています。
また、公開講演会、シンポジウム、共同研究会、懇話会などを開催するほか、中部地区における人類学関係の研究会開催に積極的に協力しています。さらに人類学フェスティバルや映画上映会のような催しを通して、一般市民に開かれた研究所を目指しています。
開設当時は人類学民族学研究所と命名された。看板向かって左が初代所長沼澤喜市神父 | 人類学陳列室に立つレンメルヒルト第2代所長 | 三笠宮殿下4回目の来訪(1964年11月21日) | 2010年度公開講演会の模様(講師:神奈川大学特別招聘教授・川田順造氏) |