研究活動 過去の活動報告
映画上映会とトークセッション「ラモツォの亡命ノート」実施
2017年10月14日
[日時]2017年10月14日(土)、15:00~18:00(14:30開場)
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[会場]南山大学R棟地下フラッテンホール
[プログラム]
15:00 挨拶 後藤明(南山大学人類学研究所)
15:05 趣旨説明 宮脇千絵(南山大学人類学研究所)
15:10 『ラモツォの亡命ノート』上映
16:45 休憩
17:00 トークセッション
小川真利枝(監督)・小野正嗣(立教大学教授・作家)
17:40 フロアを交えた意見交換
18:00 閉会
[作品情報]
2017年/日本/チベット語/93分
監督・撮影・編集/小川真利枝
[報告]
この映画は、一人のチベット人難民女性ラモツォの6年間を追ったドキュメンタリー映画です。「チベット」や「難民・移民」という現代社会が抱える問題を扱ったものですが、映画はラモツォの日常生活を静かに映し出しながらすすんでいきます。そこには、「難民」に対するステレオタイプ的なまなざしはなく、一人の人間の、些細で当たり前の、時にしたたかな日常の営みを捉え、伝えようという監督の思いが感じられます。
トークセッションでは、監督である小川真利枝さんと、立教大学教授で作家の小野正嗣先生をお迎えし、「ホームとは何か」をテーマに議論をしました。ラモツォにとって、「ホーム」と呼べる場所は、生まれ故郷なのか、家族とともに生活する場所なのか、あるいは安心して暮らせる制度や権利が保障されている場所なのか。巡礼するかのように移動を繰り返すラモツォやその家族、そしてラモツォの周囲の人々のこれまでと今後に思いを馳せながら、熱く実りあるトークセッションとなりました。
またフロアからも、それぞれが考える「ホーム」観や自らの経験に重ねたコメントが寄せられ、改めて、観る人の立場や関心によって、さまざまな受け取り方ができる余地のある映画だったということを感じました。
小川監督、小野先生、そしてご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
トークセッションの様子 | 小川真利枝監督 | 小野正嗣氏 |