研究活動 過去の活動報告
映画鑑賞会「フタバから遠く離れて」
2013年10月19日
共同研究会「危機と再生の人類学」関連
[日時]2013年10月19日(土)、13:30~17:30
[会場]南山大学名古屋キャンパスR棟フラッテンホール
[講師]岩崎 真幸(みちのく民俗文化研究所)、上條 大輔(NPO法人自然環境応援団)
[主催]南山大学人類学研究所
[共催]日本文化人類学会課題懇談会「危機の克服と地域コミュニティ」「災害の人類学」
[プログラム]
1330-1340 趣旨説明:後藤 明
第1部
1340-1515 映画「フタバから遠く離れて」の鑑賞会(http://nuclearnation.jp/jp/)
第2部
1530-1630 ゲストによる現地報告
1630-1730 映画を巡る意見交換会
[報告]
今回の公開講演会は映画の上映に続いて現地からのゲストの報告、そして総合討論会を試みた。まず問題提起として「フタバから遠く離れて」を鑑賞した。この映画は福島県双葉町の住民が福島第一原発の事故後、全村避難を余儀なくされた状況を描くものである。
とくに一時は1000人もの村民が暮らしたの埼玉県加須市旧騎西高校(廃校)を利用した避難所での生活、人々の思いや井戸川町長の語りを通して、揺れ動く避難民の方々の心の内が表現されていた。映画のあと福島県の民俗学者岩崎真幸氏が震災後二年半に行ってきた地元の調査、とくに祭りの復興について報告を行った。福島県浜通地方は双葉町のように全員が避難している地域、また不安に怯えつつも留まっている人々などさまざまな形で生活が継続してるが、その中で地域に根ざした祭りがどのように維持されあるいは変容していっているのかという実態が報告された。
祭りをになう集団の中における女性の有無が対応の違いを産み出しているという興味ある現象も指摘された。さらに南相馬市でNPO法人を主催し障害者支援を行ってきた上條大輔氏は震災・原発事故当時の対応、その後の避難区域ぎりぎりの場所で行っている活動に対する人々の対応、さらに原発内での作業員の実態や電力会社の対応など、現地体験なしには聴くことの出来ない情報を提示していただいた。
二人の報告の後、会場からの質問が相次いだ。その後行われた懇親会にはゲストの二人から現地の状況を聴きたいという市民の方々も参加され、熱心な意見交換が行われた。
映画のあとの報告会 | 岩崎氏の報告 |
意見交換会での上條氏 |