研究活動 過去の活動報告
公開講演会「自殺の人類学」(次期共同研究プレフォーラム1)
2012年07月27日
次期共同研究プレフォーラム1
[日時]2012年7月27日(金)、15:00~18:00
[会場]人類学研究所1F会議室
[講師]杉尾 浩規(南山大学人類学研究所非常勤研究員)、川田 順造(神奈川大学特別招聘教授)
[プログラム]
1500-1600 杉尾 浩規(南山大学人類学研究所非常勤研究員)
「自殺研究の動向と特徴」
1610-1710 川田 順造(神奈川大学特別招聘教授)
「日本人の自殺に見る道義的・審美的側面:切腹、 殉死、心中の事例から」 討論
17:10-17:40 討論
[報告]
人類は災害や環境破壊あるいは戦争や疾病など様々な危機に今日直面している。2013年度から2015年度にかけて行われる予定の共同研究では人類にとって危機とは何か、また人類は過去どのように危機を回避してきたのか、さらに未来においてどのように回避しようとしているのかなど根本的な問いを立てて検討することを議論する。
危機の中で最大のものは生命の危機であろう。そして自分の生命を自ら絶つ自殺という行為は危機を論ずる際にひとつのボトムラインになるのではないだろうか。人はなぜ自らの命を絶つのか、そこにはそれを強いる文化的要因があるのか、それとも貧困など社会経済的な要因が大きいのであろうか。
まず杉尾氏はこの種の問題の先駆者、デュルケムの自殺論の再検討を行い、心理学的および社会学的な見地からどのような問題点と可能性があるのかを指摘した。次に川田氏は日本の文化に伝統的な切腹、殉死、心中などを美化する傾向を文学や歌舞伎の事例も含めて分析した。
講演する杉尾氏 | 講演する川田氏 | 質疑応答する川田氏 |