研究活動 活動報告
第4回公開講演会「フィールドワークから研究へ―1980年代以降、中国での人類学の経験」実施
2018年10月19日
[日時]2018年10月19日(金)、17:15~18:45
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[会場]南山大学Q棟 Q102教室
[主催]南山大学人類学研究所
[共催]南山大学人文学部人類文化学科
[講師]横山 廣子(国立民族学博物館・名誉教授)
[司会]宮脇 千絵(南山大学人類学研究所)
[内容]
日本人人類学者として最初期の1980年代に中国雲南省に長期フィールドワークへ入られた横山廣子氏に、1980年代の中国社会の状況やフィールドワークを通じて拾った研究の種をどう育てて研究をしてきたのか、また中国少数民族研究の視角についてご講演いただきます。
[報告]
横山廣子先生が中国にフィールドワークのために渡航されたのは1983年のことでした。それまでの中国は、社会主義政権の影響により外国人研究者がフィールドワークをおこなうことがほぼできない状況でした。そのようななか、助成金獲得のチャンスを得て、日中両国の諸先生方のお力添えのもと、まずは北京へ、その数か月後に念願叶って雲南省へ行くことができたとのことです。先生のお話は、カルチャーショックの数々に遭遇しながらも、より良い研究の条件やフィールド環境を求めて奮闘する姿が浮かび上がってくるものでした。さまざまなトラブルも前向きに乗り越えられてこられるなか、思いがけないところから研究の種も生まれたとのことです。密な人間関係が重視される中国において、想定外の出来事のなかで出会う人々とも真摯に向き合い、相手を知るだけでなく、自分を知ってもらうことで、できることが拡大していく。それは最初に思い描いていた目的とは別に、柔軟に「研究の種」を拾い、育てていくことにもつながります。先生のご研究はその後、雲南省に暮らす少数民族ペー族を中心に、社会組織、儀礼、民族概念や民族と国家の関係などの人類学的研究へと展開していきます。
開会のあいさつ | 講師の横山廣子先生 | 会場の様子 |