研究活動 活動報告
(共催)講演会「「戦争」と「平和」を描くこと―葉祥明氏が語るMy Story」
2019年10月08日
[日時]2019年10月8日(火)、11:05~12:35
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[会場]南山大学 R49教室
[主催]南山大学外国語学部アジア学科
[共催]人類学研究所
[講師]葉祥明 氏(北鎌倉葉祥明美術館、葉祥明阿蘇高原絵本美術館、葉祥明資料室総代表)
[趣旨]
中国にルーツを持つ華人、「外国人」として日本に生まれ育ったが、狭隘な「民族主義」や「国家主義」を超えて、人類全体が抱える環境破壊、戦争、女性・幼児差別などの問題に挑戦すべく、様々な絵画の制作に取り組む葉祥明氏を講師にお招きします。グローカル化が進み、人も物もカネも「自由」に国境を飛び越えていくように見える今の時代、「民族」や「国家」が持つ意味とは何か?そこで生きる人々のアイデンティティ、そして背負うべき使命とは何か?世界を舞台に活躍する「華人」と彼らが描く「文化」の諸相について学生をはじめ多くの人々に考えていただく機会となると考えられます。
なお本講演会は「華人文化研究」講義(担当:張玉玲)の一環として企画されたものであり、聴講は南山大学学生および教職員に限ります。
[報告]
10月8日(火)11:05~12:35分に、外国語学部アジア学科と人類学研究所の共催による講演会、「『戦争』と『平和』を描くこと―葉祥明氏の語るMy Story」がR49教室にて行われた。講師には、著名な画家・詩人葉祥明氏が務めた。受講者は南山大学の学生および教職員合わせて95名だった。
講演は、葉祥明氏の生い立ちや絵本や詩集および絵画制作のきっかけなど葉祥明氏のマイ・ストーリーから始まり、地雷除去や原爆、女性差別、児童虐待など様々な社会問題をわかりやすい形で説明しその解決を訴える児童向けの絵本制作の経緯および、その背景となる現代社会、人類全体が抱える問題に対するご自身の解釈など、より大きなスケール、かつ多角度から葉祥明氏の作品、特に戦争や平和に関する作品を理解する手がかりを得ることができた講演だったように思われる。
画家葉祥明氏が目指すのは、自然に対する人類の暴力、同じ人類同士間の暴力(権力)の駆使による悲劇を、絵画というツールを通して減らし、最終的になくす、ということかもしれない。(文責:張玉玲)