研究活動 活動報告
第2回公開シンポジウム「バイオアーケオロジーの最前線」
2021年03月05日
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第2回公開シンポジウム「バイオアーケオロジーの最前線」
日 時:2021年3月5日(金)、13:30 ~ 15:50
会 場:Zoom Meeting
主 催:南山大学人類学研究所
協 力:科学研究費補助金・基盤研究(B) 南米アンデスの初期帝国ワリの成立と地方支配に関する研究
プログラム:
13:30~13:40 「趣旨説明」渡部森哉(南山大学人類学研究所・所長)
13:40~14:40 「バイオアーケオロジーから見た古代アンデスの病気と死」
長岡朋人(聖マリアンナ医科大学・准教授)
14:40~14:50 休憩
14:50~15:50 「古代DNAの最前線―遺跡資料から分かること―」
澤藤りかい(日本学術振興会・特別研究員CPD(総合研究大学院大学))
参加登録:
ご参加いただくには事前登録が必要です。ご参加される方は、下記よりお申込みください(締切:3月5 日13 時30分)
https://regist.nanzan-u.ac.jp/regform/regist/jinruiken_reception/2ndSymposium
*登録後、自動返信されるメールにZoom Meetingの招待状を掲載しています。そこからご参加ください。
趣 旨:
人間の活動の痕跡が残る遺跡。そこからは人間そのものの痕跡である人骨がしばしば出土する。遺跡から出土する人骨から何が分かるのか、あるいは人骨からどのような情報を引き出すことができるのか。本シンポジウムでは2名の気鋭の研究者にバイオアーケオロジーの最先端について語っていただく。
報 告:
まず趣旨説明として、渡部が科研費プロジェクト「南米アンデスの初期帝国ワリの成立と地方支配に関する研究」の概要、およびプロジェクトにおける自然人類学的アプローチの目的について説明した。
長岡氏は、ペルー北高地に位置するパコパンパ遺跡(前1200-500年)から出土した人骨を事例として肉眼分析、および顕微鏡分析の結果を報告した。齲歯、頭蓋変形などの証拠と、当時の社会の階層制の関係について論じた。またカットマークなどの証拠から儀礼的暴力があったと考えられるとした。
分子生物学を専門とする澤藤氏は、骨の古代DNA、古代タンパク質、歯石から健康、食物、環境をどのように復元するのかについて解説した。そして日本の江戸時代の資料の事例を提示した。骨自体以外に、土壌、糞石、土器の付着物などにも応用される手法であり、今後のアンデスの資料の分析結果が楽しみである。
当日は30名の参加者があった。コロナが収まり次第、対面形式で国際シンポジウムを開催したいと考えている。(渡部森哉)