研究活動 活動報告
(共催)講演会「祖先から先人へ:シンガポール華人による死者救済と萬縁勝会」
2021年05月07日
ポスターをダウンロード |
共催講演会「祖先から先人へ:シンガポール華人による死者救済と萬縁勝会」
日 時:2021年5月7日(金)、11:05 ~ 12:45
会 場:Zoom
主 催:外国語学部アジア学科
共 催:人類学研究所
講 師:蔡志祥(香港中文大学歴史学部・教授)
(司会:張玉玲)
参加について:本企画は学内者限定講演会です。PortaにZoom情報を掲載しています。
お問合せ:外国語学部アジア学科合同研究室
趣 旨:
シンガポールの華人がいかに、国民国家の発展における土地利用の問題に対応しながら、その一方、墓地の移転における霊魂の鎮撫と帰属の問題を解決してきたかを検討し、死者救済の角度から華人の「落地生根」の過程を見てみる。華人(漢民族)の他界観では、死者を「追悼」する目的は、祖先が無縁仏になり、コミュニティに禍や祟りをきたすことがないようにすることであり、定期的に行われる中元節や萬縁勝会などの祭祀は、こうした「個人性格」のある(individual characteristics)祖先を「集団的性格」(collective characteristics)を持つ先人へと昇華させる役割を果たしている。
なお、本講演会は「華人文化研究」(Q1「35C21-001)」 の受講生が授業の一環として受講することになる。
報 告:
2021年5月7日(金)11:05-12:45、外国語学部アジア学科主催、人類学研究所共催の講演会「從祖先到先人:新加坡華人的死後救贖與萬緣勝會」(祖先から先人へ:シンガポール華人による死者救済と萬縁勝会)が行われました。講師である香港中文大学教授蔡志祥Choi Chi-cheungは、シンガポールの華人が国民国家の発展における土地利用の問題に対応しつつ、墓地の移転における霊魂の鎮撫と帰属の問題を解決してきたプロセスを詳細に検討し、死者救済の角度から華人の「落地生根」(居住地に根を下ろした)の変化を具体的に浮き彫りにしました。また、死者を「追悼」する目的は、祖先が無縁仏になり、コミュニティに禍や祟りをきたすことがないようにすることであり、定期的に行われる中元節や萬縁勝会などの祭祀は、こうした「個人性格」のある(individual characteristics)祖先を「集団的性格」(collective characteristics)を持つ先人へと昇華させる役割を果たしているという華人の他界観の諸相も豊富な写真、映像資料とともに提示してくださいました。本講演会は授業「華人文化研究」(担当張玉玲) の一環として企画されたもので、112名の学生がzoomにて受講しました。(張 玉玲)