研究活動 活動報告
第2回公開講演会「沼澤喜市先生をフィールドワークする」
2021年11月08日
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第2回公開講演会「沼澤喜市先生をフィールドワークする」
日 時:2021年11月8日(月)、15:30 ~ 17:10
会 場:南山大学 G26教室(オンライン配信あり)
主 催:人類学研究所
共 催:人文学部人類文化学科
プログラム:
15:30~15:35 「趣旨説明」宮脇千絵(人類学研究所)
15:35~16:35 「沼澤先生の足跡をたどる―人類学と大学」
湯屋秀捷(人間文化研究科人類学専攻)
16:35~16:45 「沼澤資料フィールドワークの可能性」宮脇千絵
16:45~17:10 質疑応答
開催趣旨:
人類学研究所には初代所長だった沼澤喜市先生(1907-1980)が残した新聞の切り抜き、論文の草稿、大学業務に関するもの、フィールドワークの調査ノートや日誌、写真、手紙、地図、神言会での活動に関するもの、その他研究資料が多く眠っています。これら資料からは、当時の東ニューギニアや愛知県田県神社でのフィールドワークの様子、大学での講義、神言会神父と人類学者との両立の様子などを知ることができます。
一緒にこれら資料を「フィールドワーク」する方法を考えてみませんか。
★当日、講演会の様子をオンライン配信します。視聴をご希望される方は、11月7日までに人類研(ai-nu@ic.nanzan-u.ac.jp)までご連絡ください。
★なお参加、オンライン視聴は南山大学の学生・教員に限ります。
報 告:
人類研にとって久しぶりの対面実施(オンライン配信もあり)が可能となったこの講演会は、人類文化学科の2年生に向けて、人類研に保管されている沼澤喜市先生の資料を紹介し、その活用方法を考えることを目的として実施した。
まず2019年度から2020年度にかけて、実際に資料の分類と目録製作にあたってくれた本学修士課程の湯屋秀捷氏から、神言会神父であり人類学者であった沼澤先生の略歴が紹介され、膨大な資料を、「新聞」「論文」「大学業務」「フィールドワーク資料」「写真」等11のカテゴリーに分類した作業したことが報告された。そして今後の活用方法について、沼澤先生が参加した「東ニューギニア調査関連」、講義ノート等からうかがえる当時の「人類学と教育」の状況、個人ののこした資料を「個人の枠を越えて」どう価値づけていくのかというアーカイブス学の可能性が提示された。
これを踏まえ宮脇千絵が、活用方法の一案を紹介した。資料のなかに、「東ニューギニア調査団」に中日新聞の記者および東海テレビのカメラマンが同行し、調査団帰国後に松坂屋で展覧会が開催されたことが分かるものが含まれていることから、1960年代の日本における海外学術調査や百貨店での海外文化の紹介の高まりを指摘し、当時の名古屋において「東ニューギニア調査団」がどのように組織・実施され、成果還元がされたのかを明らかにできる可能性があることを示唆した。
講演会には、人類文化学科の2年生のほかに大学院生や修了生など40名の参加があった。