研究活動 活動報告
第2回公開講演会「仮面が空から降ってきた...:太平洋戦争時のプロパガンダ機関FELOに対するオーストラリア人類学の協力」開催のお知らせ
2023年11月10日
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第2回公開講演会「仮面が空から降ってきた...:太平洋戦争時のプロパガンダ機関FELOに対するオーストラリア人類学の協力」
日 時:2023年11月10日(金)、17:30 ~ 19:45
会 場:南山大学宗教文化研究所/人類学研究所217会議室・オンライン(Zoom)
主 催:南山大学人類学究所
講演者:小坂恵敬(南山大学人類学研究所・非常勤研究員)
使用言語:日本語
プログラム:
17:30~17:35 「挨拶」 渡部森哉(南山大学人類学研究所・所長)
17:35~19:05 「仮面が空から降ってきた...:太平洋戦争時のプロパガンダ機関FELOに対するオーストラリア人類学の協力」
小坂恵敬(南山大学人類学研究所・非常勤研究員)
19:05~19:15 「コメント」中生勝美(桜美林大学・教授)
19:15~19:45 ディスカッション
(司会進行:渡部森哉)
参加登録:
対面参加・オンラインともにご参加いただくには事前登録が必要です。ご参加される方は、下記よりお申込みください(締切:11月 10 日 17 時 30 分)
https://app.nanzan.ac.jp/regform/regist/univ/jinruikenreception/kamen
*登録後、自動返信されるメールにZoomのリンクを掲載しています。当日はそこからご接続ください。
*お申し込み後に、対面参加とオンライン参加を変更していただいてもかまいません。またその際にご連絡いただく必要はありません。
趣 旨:
人類学が対象とした「他者」が、戦争により「敵」、あるいは敵と味方を揺れ動く存在となった時、オーストラリアで人類学的知識のプロパガンダへの応用を遮るものはなかった。本講演では、太平洋戦争時に連合軍が行った対日本軍・現地民工作のうち、プロパガンダ機関であるFELO(Far Eastern Liaison Office)を取り上げ、オーストラリア人類学の戦争協力を検討する。前半は、米英日の人類学による太平洋戦争への貢献と比較して、マッカーサー元帥が指揮した連合軍へのオーストラリア人類学の戦争協力を振り返る。後半は、FELOが行ったプロパガンダ活動を、従来の研究で触れられなかった資料を参照して明らかにする。特に、日本で戦史研究が薄いニューギニア戦に焦点を当て、FELOのプロパガンダに対するオーストラリア人類学の協力のあり方を分析する。
報 告:
本研究所・非常勤研究員の小坂氏に研究発表をおこなっていただいた。前半では人類学がいかに戦争に協力してきたのかを米国、英国、日本、豪州それぞれの違いが説明された。その上で、FELO(Far Eastern Liaison Office・極東連絡局)と人類学者の関係を事例に、ニューギニア戦で空から撒かれた現地民向けの宣伝ビラについて紹介、分析がおこなわれた。宣伝ビラの図案そのものもたいへん興味深く、今後の更なる研究が期待される。
その後中生氏から、人類学者の戦争協力に関してオーストラリアの蓄積が少ないため貴重な研究である等のコメントがおこなわれた。発表者の小坂氏がオーストラリアからのオンライン発表であったこともあり対面参加者は少なかったが、オンラインと合わせて33名の参加があり、質疑応答もおこなわれた。(文責:宮脇千絵)