研究活動 活動報告
第1回公開講演会「越境者のEコマースを用いた購買行動から考える新しい領土」(国際化推進事業「なりわいと移動の人類学:中華圏の研究者との協同から」関連企画「現代中国におけるECサイトの拡大-ひと・もの・情報の移動の新たな展開」シリーズNo.2)
2024年11月23日
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第1回公開講演会「越境者のEコマースを用いた購買行動から考える新しい領土」 (国際化推進事業「なりわいと移動の人類学:中華圏の研究者との協同から」関連企画「現代中国におけるECサイトの拡大-ひと・もの・情報の移動の新たな展開」シリーズNo.2)
日 時:2024年11月23日(土)、15:00〜17:15
会 場:南山大学S65教室・オンライン(Zoom)
主 催:南山大学人類学研究所
プログラム:
15:00〜15:15 「趣旨説明」張雅
15:15〜16:15 「越境者のEコマースを用いた購買行動から考える新しい領土」藤野陽平(北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 教授)
16:15〜16:30 休憩
16:30〜16:45 「コメント」張玉玲(南山大学人類学研究所/外国語学部 教授)
16:45〜17:15 質疑応答
(司会)宮脇千絵(南山大学人類学研究所 准教授)
参加登録
ご参加いただくには事前登録が必要です。下記のURLまたはQRコードからお申込ください。
(締切:11月23日15時 )
https://app.nanzan.ac.jp/regform/regist/univ/jinruikenreception/1stlecture
*自動返信されるメールにzoomの案内があります。
趣 旨:
オンライン化とサイバー空間の拡張は我々にとっての空間に変化が生じさせ、新型コロナウイルスの感染拡大はこの傾向に拍車をかけた。新しく立ち現れた空間における領土とはどういった形を取るのだろうか。越境する人々のEコマース利用状況の調査を通じてこの問題を考えてみたい。
報 告:
国際化推進事業関連の「現代中国におけるECサイトの拡大ーひと・もの・情報の 移動の新たな展開」シリーズの2回目として、北海道大学の藤野陽平氏をお迎え して講演会を開催した。
コロナ禍に一気に我々の身近になったサイバー空間は、これまで人類学者が足を 運んできた「現地」の存在を問いなおすかのようである一方、実際に国境を越え ると使用不可になるアプリやシステム、サービスによる囲い込みなど新たな「国 境」を意識されることになる。このようなサイバー空間を、アイデンティティや 歴史の構築が行われない「非場所」とみなし、藤野氏が台湾で経験した様々な日 常的な出来事から、Eコマースとの関わりが紹介された。現在リアルとサイバー 空間を行き来する我々は、空間と距離の概念をどのように再構築しているのかが 問われた。
コメンテーターの張玉玲氏からは、Eコマース以前から我々は資本主義を生きて いるのではないかという点、我々の消費の形態の歴史的変遷と場所や空間の移行 プロセスの関連、Eコマースとコミュニティの関係性、Eコマースによる消費が進 んでも国家を背景とした文化の違いは保持されているのではないかなど多くの論 点が指摘された。会場、オンラインからも質疑応答があり活発な議論が行われた。 参加者は会場・オンライン含めて26名であった。(文責:宮脇千絵)