公開講演会
2006年度 秋の公開講演会
演題 | 個人が変わらないと組織も変わらない 組織変革に臨床的アプローチが必要なわけ |
講師 | 金井壽宏 氏 (神戸大学大学院経営学研究科教授) |
日程 | 10月12日(木) 午後6時30分~8時30分 |
会場 | 南山大学D棟地下 DB1教室 |
チラシ | |
参加費 | 無料 |
概要 | 組織がかわらないと個人も変わりにくいものだという声をよく聞きます。こういう側面もあるのですが、個人が変わらないと組織が変わったことにはならないというのは、より大切な認識です。われわれは、経営学で、あるいは経営の実践で、組織変革とか組織開発(OD、organization development)という言葉を使いますが、これは言葉のあやで、組織のなかの大半のひとの発想や行動が変わったり、そのことから、そのようなひとたちがなんらかの意味で発達すること(individual development)がなければ、組織変革も組織開発もありません。 なかなか組織が変わらないと思っているひとは幸いです。というのは、組織が容易に変わるとでも思っているひとよりいい立場にいるからです。そのようななかで、なかなか変わらない組織を変えるうえで、トランジション(移行期)の心理学、ブリーフセラピー(とりわけポール・ワツラウィック)の考え方が、いろいろなヒントを授けてくれます。 わたくし自身の、リーダーシップやキャリアの研究にもところどころ言及しながら、組織変革における臨床的アプローチについて、話題を提供し、その可能性を皆さんと話し合ってみたいと思っております。 |
講師プロフィール | 1954年生まれ。78年京都大学教育学部卒業。80年神戸大学大学院経営学研究科修士課程を修了。89年M I T(マサチューセッツ工科大学)でPh.D.(マネジメント)を取得。92年神戸大学で博士(経営学)を取得。現在、神戸大学大学院経営学研究科教授。 変革型のリーダーシップ、創造性となじむマネジメント、働くひとのキャリア発達、次期経営幹部の育成、これからの人事部の役割、研究とつながる教育・研修のあり方(リサーチ・ベースト・エデュケーション)を主たるテーマとしている。これらにかかわる論文や著作が多数——以下がその一部。 主著:『変革型ミドルの探求』(白桃書房、 91年)、『ニューウエーブ・マネジメント』(創元社、 93年)、『企業者ネットワーキングの世界』(白桃書房、 94年)、『経営組織』(日本経済新聞社、 99年)、『中年力マネジメント』(創元社、 99年)、『働くひとのためのキャリア・デザイン』(PHP研究所、 02年)、 『仕事で「一皮むける」――関経連「一皮むけた経験」に学ぶ』(光文社、 02年)、『会社の元気は人事がつくる企業変革を生み出すHRM』(日本経団連出版、 共著、 02年)、『組織を動かす最強のマネジメント心理学』(中経出版、 02年)、『会社と個人を元気にするキャリア・カウンセリング』(日本経済新聞社、 03年)、 『キャリア・デザイン・ガイド』(白桃書房、 03年)、『組織行動の考え方』(東洋経済新報社、 共著、 04年)、『組織変革のビジョン』(光文社)、『ハッピー社員――仕事の世界の幸福論』(プレジデント社、 04年)、『部下を動かす組織人事』(PHP新書、 共著、 04年)、『リーダーシップ入門』(日経文庫、 05年)、『踊る大捜査線に学ぶ組織論』(かんき出版、 05年)、『キャリア常識の嘘』 (朝日出版社、05年)、『あったかい仕事力相談室』(千倉書房、 06年)など多数。 |