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南山大学社会倫理研究所2016年度第2回懇話会
2016年06月13日
2016年度第2回懇話会(「いのちの支援」研究プロジェクト)開催のお知らせ
下記の通り懇話会を開催致しますので、ご案内申し上げます。 どなたでも参加は自由(無料)です。 出席されます場合は、事前に受付フォームよりご連絡いただけると幸いです。(当日参加でも結構です。)
日時 | 2016年7月2日(土) 14:00~17:30(13:30開場) | ポスターを見る |
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場所 | 南山大学 名古屋キャンパス R棟3階 R32教室 アクセスについてはこちらをご利用下さい。 |
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共通テーマ | 「ケア」を担うのは誰か~子育て・介護とケアワーク~ | |
全体趣旨 | 子育てや看護、介護(介助)といったケアワークは、日本では女性に偏って課せられているのが現状です。さらに、ケアワークのグローバリゼーションが進むことで、ケアの役割は単に女性に片寄って課せられるという構図から、女性間分業(先進国高所得高学歴女性が途上国貧困層女性にケアワークを外注)へと移行しつつあります。それでは、人間の生にとって必要不可欠なケアワークは、誰がどのように担うことがのぞましいのでしょうか。そして、ケアをする人自身のケアは、誰が担うべきなのでしょうか。 今回は、介護の現場に携わってこられた福田弘子氏と、子育て、障害者・児へのケアの研究を続けてこられた佐藤靜氏にご登壇いただき、会場全体で一緒にこの課題について考え、自由討論を行います。 |
演題1 | 「ケア」を生きる〜介護現場におけるケアマネージャーの役割と現状 | |
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報告者1 | 福田弘子(ふくだ・ひろこ)(公益社団法人大阪介護支援専門員協会事務局次長兼研修センター部長) | |
趣旨 | ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護現場において、要介護認定や介護支援サービスに関する業務等を行う専門職であり、要支援・要介護認定を受けた人、その人のケアを担う家族からの相談を受け、必要な介護サービスの査定、ケアプランの作成を行う。そのため、ケアマネジャーは、介護が必要な利用者だけではなく、ケアを担う家族への支援を担うことも多い。今回は、介護制度上でケアマネジャーが置かれている現状についてお伝えするとともに、介護ケアを担う家族が置かれている現状、そしてその家族に対して第三者として介入するケアマネジャーだからこそできる役割について明らかにしたい。さらに、そもそもケアを担うということは何なのか、たとえば、親が子どもの世話をすることは、「課せられた」ものなのか、「ケアワーク」そのものについて検討を行う。 | |
演題2 | ケアすべきは誰か〜ケアされる人のニーズとグローバリゼーションと | |
報告者2 | 佐藤靜(さとう・さやか)(國學院大學教育開発推進機構助教) | |
趣旨 | ケアを必要とする人がいるとき、その人をケアすべきは誰なのか。これまでそれは、奴隷や家族そのなかでもとりわけ女性がその役割を担ってきた。今やそれは家族では完結せず、さまざまな人を巻き込んで(場合によっては国境を越えて)なされている。その際に動員されるのは、途上国の貧困にあえぐ女性であり、自身の子と離れて海外で移住ケア労働をし、母国に仕送りをしている。そして、それを雇用するのは、先進国の高所得な人々である。金銭を媒介に、契約を結んだからそれでよしとされることなのだろうか。このようなグローバル・ケア・チェインと呼ばれる構造とケアを必要とする人のニーズとの関係について、子どもの場合と高齢者の場合の異同をふまえつつ考えてみたい。 | |
コメンテータ | 森山花鈴(もりやま・かりん)(南山大学社会倫理研究所第一種研究所員/総合政策学部講師) |
報告者紹介 | |
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福田 弘子 | |
《略歴》 | 1981年より国家公務員共済連合会大手前病院、1990年より国立大阪南病院、1995年より富田林医師会訪問看護ステーションにて訪問看護師として在宅ケアを始める。2000年からは(財)富田林市福祉公社・事業課にて、基幹型在宅支援センターと居宅介護支援事業等で地域活動を行う。2006年より渋谷区高齢者ケアセンター地域包括支援センターを経て、現在、社団法人大阪介護支援専門員協会事務局次長兼研修センター部長。介護支援専門員として、ケアマネジメントリーダー・認定ケアマネジャー・主任介護支援専門員・コミュニテーソーシャルワークの役割を時代と共に実践し、現在は、介護支援専門員の資質向上事業を通して、高齢者が健やかに自立でき楽しめる暮らしが出来る事に関与している。 |
《専門領域》 | 福祉・高齢化(高齢者の虐待・健康・医療・福祉・地域福祉・介護支援) |
《主要著書》 | 社会福祉法人大阪府総合福祉協会『高齢者への虐待について考える~高齢者への虐待予防と解決のために』2005年3月発行(共著)。 高橋泰・遠藤征也(編)『医療と介護の連携のための疾患別ケアマネジメント基礎講座』、一般社団法人日本介護支援専門員協会・社会保険研究所、2010年(共著)。 介護支援専門員研修テキスト編集委員会(編)『介護支援専門員研修テキスト専門研修課程Ⅰ』、一般社団法人日本介護支援専門員協会、2016年(共著)。 |
佐藤 靜 | |
《略歴》 | 秋田県に生まれる。東京大学大学院教育学研究科博士後期課程終了。博士(教育学)(東京大学)。2015年4月より國學院大學教育開発推進機構助教。 |
《専門領域》 | 社会倫理学・教育学 |
《主要著書》 | 「ケアする責務と応答責任----プラグマティックな当為の位置づけをめぐって」日本倫理学会編『倫理学年報』第64集、203-217頁、2015年。 「内発的義務論における経験の直接性と〈場〉」金井淑子・竹内聖一編著『ケアの始まる場所:哲学・倫理学・社会学・教育学からの11章』ナカニシヤ出版、20-40頁、2015年。 |
主催 | 南山大学社会倫理研究所 |
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連絡先 | 南山大学社会倫理研究所 〒466-8673 名古屋市昭和区山里町18 Tel: (052)832-3111(内線3413,3414) Fax: (052)832-3703 E-mail: ise-office@ic.nanzan-u.ac.jp |
*本研究所主催懇話会では、記録のために写真撮影と録音を行なっております。 |