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南山大学社会倫理研究所2024年度第2回懇話会
2024年10月07日
2024年度第2回懇話会開催のお知らせ
下記の通り懇話会を開催致しますので、ご案内申し上げます。 どなたでも参加自由(無料)、申込不要です。
日時 | 2024年10月26日(土) 14:00~17:30 | ポスターを見る |
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場所 | 南山大学M棟 MB11教室 | |
共通テーマ | 災禍と日常を想い起こす:〈われわれ〉は何を引き受けるのかIII | |
全体趣旨 | 災害や事故の体験を語り、想い起こし、受け継いでいこうとする様々な取り組みがある。手記やアンケート、インタビュー、また言葉によらない様々な表現手法など、困難の経験をどのように形にすることができるのか。またそれをどのように継承していくか。
しかし同時に、そうした時期がまだ来ていないと考える人、思い出すことで痛みを感じる人もいるだろう。語られないままの声はどうなるのだろうか。 さらにそうした場合、声を聞き取ろうとする側の役割、方法、倫理をどのように考えるか。地域で生活する者の一員として、あるいは何らかの専門家としてなど、様々な仕方で事態に関わろうとするとき、望ましい態度や責任はどのようなものか。そもそも、記憶を喚起し継承しようとする試みの目的とは何だろうか。その当事者とは誰か。 本懇話会では、災禍、またそれと地続きにある日常を想起し残していく実践に取り組まれてきたジャーナリストや研究者をお招きして、その取り組みの一端を共有しながら、これを社会で共に生きる〈われわれ〉の問題として考えることを試みる。 |
演題1 | 集合的トラウマとしての原発事故、修復に向けた介入研究 |
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報告者1 | 成元哲(そん・うぉんちょる)(中京大学現代社会学部教授) |
趣旨 | 「忘れたいが、なかったことにはできない」、これが今、福島県中通りのお母さんたちの率直な気持ちだろう。原発再稼働の動きが顕著となりつつある昨今だが、13年半前の原発事故は個人だけでなく、家族、地域、祭りや文化にも深い傷を残していることをお伝えできればと考えています。 |
演題2 | 終わらぬ原発事故~福島第一原発の作業員を追い続けて~ |
報告者2 | 片山夏子(かたやま・なつこ)(中日新聞東京本社(東京新聞)福島特別支局長) |
趣旨 | 福島第一原発では事故から13年半がたつ今も、1日約4000人の作業員が働く。事故後、現場で何が起きたのか。作業員や家族の生活や人生はどう変わったのか。公表されない事実や、作業員1人1人の思いや現場での苦闘を伝える。 |
討論者 | 高森順子(たかもり・じゅんこ)(情報科学技術大学院大学産業文化研究センター研究員) |
司会 | 西本優樹(にしもと・ゆうき)(南山大学社会倫理研究所プロジェクト究所員/日本学術振興会特別研究員PD) |
報告者紹介 | |
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成元哲 | |
《略歴》 |
1997年-1999年 日本学術振興会特別研究員
1998年 東京大学人文社会系研究科 博士課程修了 1999年 中京大学社会学部講師、助教授(准教授) 2010年 中京大学現代社会学部教授【現在に至る】 |
《専門領域》 | 社会学(集合的トラウマの社会学、社会運動論) |
《主要著作》 |
『原発分断と修復的アプローチ』(共編著:東信堂、2023年)
『終わらない被災の時間』(共著:石風社、2015年) 『社会運動の社会学』(共編著:有斐閣、2004年) |
片山夏子 | |
《略歴》 | 化粧品会社の営業、ニートを経て新聞記者に。埼玉新聞で、出生前診断の連載「いのち生まれるときに」でアップジョン医学記事賞の特別賞受賞。中日新聞社に入社後、臓器移植問題や原発作業員の労災の問題などを取材。東日本大震災翌日から原発事故の取材し、2011年8月から作業員の日常や家族への思いなどを綴った「ふくしま作業員日誌」を連載中。同連載が「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」大賞。連載に作業員1人1人の9年間を加筆した書籍「ふくしま原発作業員日誌~イチエフの真実、9年間の記録~」(朝日新聞出版)が講談社本田靖春ノンフィクション賞と早稲田ジャーナリズム大賞の奨励賞など3賞受賞。 |
《主要著作》 | 『ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実 9年間の記録』(朝日新聞出版、2020年) |
高森順子 | |
《略歴》 |
1984年兵庫県神戸市生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科単位修得満期退学。博士(人間科学)。現在、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]産業文化研究センター研究員。
グループ・ダイナミックスの視点から、災害体験の記録や表現をテーマに研究している。2010年より「阪神大震災を記録しつづける会」事務局長。 |
《専門領域》 | グループ・ダイナミックス、災害表象 |
《主要著書》 | 『10年目の手記--震災体験を書く、よむ、編みなおす』(共著、生きのびるブックス、2022年)
『震災後のエスノグラフィ--「阪神大震災を記録しつづける会」のアクションリサーチ』(明石書店、2023年) 『残らなかったものを想起するー「あの日」の災害アーカイブ論』(編著、堀之内出版、2024年) |
主催 | 南山大学社会倫理研究所 |
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共催 | 科研費23K21876、23KJ2064 |
連絡先 | 南山大学社会倫理研究所 〒466-8673 名古屋市昭和区山里町18 E-mail: ise-office@ic.nanzan-u.ac.jp |
*本研究所主催懇話会では、記録のために写真撮影と録音を行なっております。 |