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南山大学社会倫理研究所2018年度第3回懇話会
2018年07月25日
2018年度第3回懇話会(「倫理学の可能性」研究プロジェクト+「法・制度・倫理」研究プロジェクト)開催のお知らせ
下記の通り懇話会を開催致しますので、ご案内申し上げます。 どなたでも参加は自由(無料)です。 出席されます場合は、事前に受付フォーム(7月26日受付開始)よりご連絡いただけると幸いです。(当日参加でも結構です。)
日時 | 2018年9月22日(土) 14:00~17:30(13:30開場) | ポスターを見る |
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場所 | 南山大学R棟4階R49教室 アクセスについてはこちらをご利用下さい。 |
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共通テーマ | 事故はなぜ起きるのか?--スポーツの心理と倫理を考える | |
全体趣旨 | スポーツには危険が付き物である、というのは本当だろうか。確かに、スポーツの最中に事故や大怪我が発生することも少なくない。それは時に、悪意やハラスメントなどの要因に基づく「事件」として話題になることもある。私たちの関心はともするとそうした顕著な特異事例に集まりがちだが、より身近で重要な問題は、明確な事件としてではなく、結果として起こってしまった事故、あるいは、ある角度から見ると事件性を帯びるようにも見える事故にこそあると言えないだろうか。 今回の懇話会では、スポーツにおける事故とその責任、たとえば、指導者の安全配慮義務やスポーツ従事者当人の自己責任の範囲の問題などを視野に入れて、スポーツが根本的に抱え込んでいる危険性と安全性のアンビバレンスについて、お二人の専門家をお招きして考えてみたい。近藤先生にはスポーツ倫理学の観点から、村越先生にはスポーツ心理学の観点からのご提題をいただき、参加者のみなさんとともに、「粗雑な自己責任論」に陥らないスポーツ事故の理解の仕方を模索するための議論を深めると共に、授業におけるスポーツ指導の更なる向上に役立てたい。 |
演題1 | 見よう、見まねのスポーツ実践 |
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報告者1 | 近藤良享(こんどう・よしたか)(中京大学スポーツ科学部 教授) |
趣旨 | 本質的に、近代スポーツに暴力性が内在している以上、「事故」の発生は回避できない。現状でのスポーツ実践において「事故」が起こる要因はいくつかある。危険性の無知や行為の無謀もさることながら、スポーツを「見よう、見まね」で実践していることが、「事故」さらには「事件」への誘因となっている。スポーツを正しく理解し、実践することが、限りなく「事故」をゼロに近づける最善策である。スポーツの出自、近代スポーツへの変革、正しいスポーツ教育の必要性など、事例を挙げながら、本テーマについて考察してみる。 |
演題2 | 自然のリスク:魅力とのジレンマにどう向き合うか? |
報告者2 | 村越真(むらこし・しん)(静岡大学教育学領域 教授) |
趣旨 | 登山人口は国民の10%近い1000万人と推定されている。自然環境が余暇活動の場として最適であることは論を俟たないが、一方で年間約3000人の人が山で遭難し、その数は1990年代後半以降漸増傾向が続いている。管理されていないことが魅力であるが故に、自然の中での活動のリスクをゼロにすることを公に求めることはできない。その状況を踏まえると、単に遭難を防止すればよいのではなく、魅力と裏腹にあるリスクをどう捉えるか、そこでの活動の結果に対してステークホルダー間で、どのように責務を果たすべきかを考える必要がある。こうした視点から、魅力ある自然におけるリスクとの向き合い方について問題提起をしたい。 |
司会兼コメンテータ | 奥田太郎(おくだ・たろう)(南山大学社会倫理研究所 第一種研究所員/人文学部 教授) |
報告者紹介 | |
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近藤 良享 | |
《略歴》 | 1979年、筑波大学大学院修士課程体育研究科修了。1999年、博士(体育科学)(筑波大学)。1982年、筑波大学助手、1982年、宇都宮大学講師、1985年、筑波大学講師、1995年、筑波大学助教授、2005年、筑波大学教授を経て、2010年より現職。 |
《専門領域》 | スポーツ倫理学 |
《主要著書》 | 『スポーツ倫理』、不昧堂出版、2012年。 "The Social Organization of Sport Medicine," Sport Medicine beyond Therapy: Genetic Doping and Enhancement, Routledge, 2012. "Sports Coaching : Corporal Punishment and Violence,"『中京大学体育研究所紀要』、第28号、2014年。 「スポーツ指導と体罰~倫理なくしてスポーツなし」、冨永良喜・森田啓之編『「いじめ」と「体罰」その現状と対応』、金子書房、2014年。 「カナダ・ウォータールー大学のドーピング事件」、『中京大学体育学論叢』第56巻1/2号、2015年。 「体育とフェアプレイ~フェアプレイは有効か」、友添秀則・岡出美則編『教養としての体育原理 新版』、大修館書店、2016年。 「オリンピックと身体」、中京大学社会学研究所編『学際的アプローチによるオリンピックの探究』エイデル研究所、2016年。 「学校管理下における柔道の死亡・重篤障害の特徴~中学1年生・高校1年生を対象に」『中京大学体育研究所紀要』、第31巻、2017年。 |
村越 真 | |
《略歴》 | 1960年静岡生。筑波大学体育学系大学院修了、心理学系大学院中退。1988年より静岡大学教育学部講師等を経て、現職。1999年より自然の中での活動に伴うリスクのとらえ方や対応についての能力をテーマに研究。 |
《専門領域》 | 認知心理学、リスクマネジメント、安全教育 |
《主要著書》 |
「山のリスクと向き合うために:登山におけるリスクマネジメントの理論と実践」(長岡健一と共著)東京新聞、2015年。 |
主催 | 南山大学社会倫理研究所 |
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連絡先 | 南山大学社会倫理研究所 〒466-8673 名古屋市昭和区山里町18 Tel: (052)832-3111(内線3413,3414) Fax: (052)832-3703 E-mail: ise-office@ic.nanzan-u.ac.jp |
*本研究所主催懇話会では、記録のために写真撮影と録音を行なっております。 |