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南山大学社会倫理研究所2018年度第4回懇話会
2018年10月19日
2018年度第4回懇話会(「「国際社会」と倫理」研究プロジェクト)開催のお知らせ
下記の通り懇話会を開催致しますので、ご案内申し上げます。 どなたでも参加は自由(無料)です。 出席されます場合は、事前に受付フォーム(10月22日受付開始)よりご連絡いただけると幸いです。(当日参加でも結構です。)
日時 | 2018年11月17日(土) 14:00~17:30(13:30開場) | ポスターを見る |
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場所 | 南山大学Q棟5階Q504教室 アクセスについてはこちらをご利用下さい。 |
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共通テーマ | 国連職員は「正義の味方」か? | |
全体趣旨 | 国連、というと、「弱者の味方」というイメージがある。難民支援や人道支援の場を見れば、それはそれで必ずしも間違っていないのだが、ノーベル賞まで受賞したことのある平和維持活動(PKO)となると、話は変わってくる。というのも、PKOは国連の活動でありながら、各国から派遣された兵士の混成部隊であり、しかも、途上国出身の兵士が多い、という問題がある。そのため、国連本部は、PKOに派遣される軍事要員に対し、さまざまな規則類を通じて、「正しく」行動することを求めてきた。こうした状況を踏まえ、今回の懇話会では、国際機構論および戦争倫理学の専門家をお招きして、国連職員や軍事専門職の専門職倫理について、現場の視点と理論的な視点の両面から検討したい。 |
演題1 | 国連平和活動要員の専門職倫理感について |
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報告者1 | キハラハント愛(きはらはんと・あい)(東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム 准教授) |
趣旨 | 国連平和活動の要員による犯罪・不法行為、国連で犯罪・不法行為に対処する内部法やメカニズムを検証すると、犯罪や不法行為が行われる理由として、業務の内容でも任地でもなく、個人の職業倫理が大きいということが見えてくる。国連が職員・要員に求める職業倫理とは何か、国連はそれをどのように確保しているのか、うまく確保できているのか、その理由は?国連平和活動を中心に、国連が国連の業務を遂行するのに必要な職業倫理を持った職員・要員をどう効果的に確保できているのかを考察する。 |
演題2 | 国連平和維持活動(PKO)に参加する兵士は、「輝く鎧を纏った、白馬の騎士」なのか?:軍事専門職倫理をふまえて |
報告者2 | 眞嶋俊造(まじま・しゅんぞう)(広島大学大学院総合科学研究科 准教授) |
趣旨 | PKOに参加する兵士の「ある行い」が大きな問題になっている。その行いは職業倫理として全く褒められたものではない。しかし、それはPKOに参加する兵士だけの問題ではないし、国連だけの問題でもない。だからといって、そのような行いを擁護するつもりはないし、そのような行いが倫理的に許容されると主張する気は毛頭ない。この問題意識を契機として、本報告では、軍事専門職倫理という視座からPKOと兵士について考えてみたい。 |
コメンテータ | 山田哲也(やまだ・てつや)(南山大学総合政策学部 教授/社会倫理研究所 第二種研究所員) |
司会 | 奥田太郎(おくだ・たろう)(南山大学社会倫理研究所 第一種研究所員/人文学部 教授) |
報告者紹介 | |
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キハラハント 愛 | |
《略歴》 | 1998年欧州安全協力機構(OSCE)選挙管理委員、1999年国連東ティモール支援ミッション(UNAMET)選挙管理委員、1999年国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)人権委員、2001年東ティモール真実和解委員会にて広報・アウトリーチ担当官、2003年国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)スリランカ事務所プロテクション担当官、2005年英エセックス大学人権センターリサーチ・オフィサー、2005年国連人権高等弁務官事務所(UN-OHCHR)特別報告者制度の人権委員、2006年国連東ティモール諮問委員会ディレクター補佐、と、様々な機関での勤務経験を経て、2006年UN-OHCHRネパール事務所人権委員・治安部門改革責任者。2016年国連本部において国連警察指針作成委員、2017年から現職。英エセックス大学法学部博士号取得。 |
《専門領域》 | 国際機構論、国際人権法、法の支配 |
《主要著書》 | 「国連警察の武装化の要因分析」『国連研究』第19号 pp.165-190(2018) "Addressing Sexual Exploitation and Abuse: The Case of UN Police - Recommendations" International Journal of Peacekeeping, vol.21, issue 1-2, pp.62-82 (2017) Holding UNPOL to Account: Individual Criminal Accountability of United Nations Police Personnel, Brill (2017) "Why does the immunity afforded to UN personnel not appropriately reflect the needs of the Organization?: the case of the UN police", United Nations Studies, vol.17, pp.205-234(2016) "UN Peace Operations: from National Security to Human Rights and Human Security", in Takahashi, S., Human Rights, Human Security, and State Security, Praeger, pp.243-271(2014) Francoise Hampson and Ai Kihara-Hunt, "The Accountability of Personnel Associated with Peacekeeping Operations" in Aoi, C., De Coning, C. and Takhur, R. (eds.), Unintended Consequences of Peacekeeping Operations, United Nations University Press, pp.195-220(2007) |
眞嶋 俊造 | |
《略歴》 | 1998年、慶應義塾大学法学部卒。1999年、シカゴ大学大学院社会科学群修士課程修了。2000年、慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了。2011年バーミンガム大学大学院グローバルエシックス研究所博士課程修了。2008年、北海道大学大学院文学研究科応用倫理研究教育センター准教授。2017年より現職。 |
《専門領域》 | 応用倫理学・戦争倫理学 |
《主要著書》 |
『民間人保護の倫理―戦争における道徳の探求』、北海道大学出版会、2010年。 |
主催 | 南山大学社会倫理研究所 |
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連絡先 | 南山大学社会倫理研究所 〒466-8673 名古屋市昭和区山里町18 Tel: (052)832-3111(内線3413,3414) Fax: (052)832-3703 E-mail: ise-office@ic.nanzan-u.ac.jp |
*本研究所主催懇話会では、記録のために写真撮影と録音を行なっております。 |