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南山大学社会倫理研究所2019年度第1回懇話会
2019年05月28日
2019年度第1回懇話会(シリーズ懇話会「3.11以後何が問われているのか」)開催のお知らせ
下記の通り懇話会を開催致しますので、ご案内申し上げます。 どなたでも参加は自由(無料)です。 出席されます場合は、事前に受付フォームよりご連絡いただけると幸いです。(当日参加でも結構です。)
日時 | 2019年6月29日(土) 14:00~17:30(13:30開場) | ポスターを見る |
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場所 | 南山大学Q棟5階会議室 アクセスについてはこちらをご利用下さい。 |
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共通テーマ | 誰にとっての「復興」か?―住する・寓するの社会倫理 | |
全体趣旨 | 社会倫理研究所では、2011年から2014年にかけてシリーズ懇話会「3.11以後何が問われているのか」を実施してきた。東日本大震災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故から8年を経た今、復興について改めて考えてみたい。 被災地支援や住民支援の際には、「復興」という言葉が必ず出てくるが、それは誰にとっての復興なのだろうか。世の中には改元やオリンピックに浮かれ、すでに復興しているかのような風潮があるが、被災地で不安定な状況の中で暮らしている人もいれば、いまだ避難生活を余儀なくされている人もいる。 本懇話会では、地域に生きる・住まうことについて、震災後の状況を踏まえ、私たちにとっての「復興」とは何を意味するのかを、持続可能な地域づくりの観点から被災地の現場で活動をしてきた秦範子先生、そして政治理論の観点からステークホルダーデモクラシーに基づき二重の住民登録の問題を検討してきた松尾隆佑先生をお招きして参加者の皆さんとともに議論する。 |
演題1 | 被災地の復興計画と持続可能な地域づくり |
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報告者1 | 秦 範子(はた・のりこ)(都留文科大学 非常勤講師) |
趣旨 | 「創造的復興」や「国土強靭化」は被災者の〈生〉とは無関係な文脈で進められた。経済優先の論理に異議を申立て、生活者の論理に立つ暮らしの復興を唱えることの困難さに被災者は直面している。働き手や住まいを失った被災者の大半は生活再建に追われ声を上げる余裕もない。他方、東北の津波被災地では行政が提示する復興計画を住民が批判的に検討する学習活動や計画づくりに参加する社会的実践が見られるようになった。地域再生の当事者として復興に関わる住民の社会的実践を紹介し、持続可能な地域づくりとは何かを論じたい。 |
演題2 | 複数のまちに住むこと、あるいは遠くからの自治 |
報告者2 | 松尾 隆佑(まつお・りゅうすけ)(法政大学 兼任講師) |
趣旨 | 被災からの回復プロセスは異なる事情を抱える人や地域によって多様であり、「復興」は被災者・被災地による自治の問題である。だが原発事故のために避難を余儀なくされた被災者の多くは、避難指示が解除されても直ちには帰還できず、被災地への愛着を保ちながらも、その新たな歩みに参加することが難しい。地域の自治を担う「住民」の範囲は、今その土地に住む者だけに限られるべきなのだろうか。複数自治体への同時帰属や遠隔的な住民参加の可能性について考えてみたい。 |
コメンテータ | 藤川 美代子(ふじかわ・みよこ)(南山大学人類学研究所第二種研究所員/人文学部 准教授) |
司会 コーディネータ |
三好千春(みよし・ちはる)(南山大学社会倫理研究所 第二種研究所員/人文学部 教授) 森山花鈴(もりやま・かりん)(南山大学社会倫理研究所 第一種研究所員/法学部 准教授) |
報告者紹介 | |
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秦 範子 | |
《略歴》 | 2016年3月、東京農工大学大学院連合農学研究科農林共生社会科学専攻修了。博士(農学)。2016年4月より、都留文科大学文学部社会学科非常勤講師。2018年4月より、都留文科大学教養学部地域社会学科非常勤講師、2018年4月より、早稲田大学教育・総合科学学術院非常勤講師。 |
《専門領域》 | 環境教育学、社会教育学、生涯学習論 |
《主要著書》 | 「3.11後の地域を再生する学び」、鈴木敏正・朝岡幸彦編著 『社会教育・生涯学習論:すべての人が「学ぶ」ために必要なこと』 、学文社、2018年。 Alternative Community Development for Sustainable Society: A Case Study of Residents' Social Practices in Kesennuma after the 2011 Tohoku Earthquake and Tsunami. Environmental Education Studies, No.27,2018年3月。 「災害復興における住民参加のプロセスに関する考察―津波被災地の防潮堤問題に向き合う地域の実践を事例として―」、『環境教育』、25(2)、2015年11月。 |
松尾 隆佑 | |
《略歴》 | 2017年3月、法政大学大学院政治学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。2017年4月より、法政大学法学部兼任講師。 |
《専門領域》 | 政治学、現代政治理論、公共政策学 |
《主要著書》 |
「原発事故避難者と二重の住民登録――ステークホルダー・シティズンシップに基づく擁護」、 『政治思想研究』、第18号、2018年5月。 |
藤川 美代子 | |
《略歴》 | 2014年、神奈川大学歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了。博士(歴史民俗資料学)。南山大学人類学研究所第一種研究所員を経て、2019年より南山大学人文学部人類文化学科准教授および人類学研究所第二種研究所員。 |
《専門領域》 | 文化人類学 |
《主要著書》 |
『水上に住まう--中国福建・連家船漁民の民族誌』(風響社)、2017年。 |
主催 | 南山大学社会倫理研究所 |
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共催 | 南山大学人類学研究所 |
連絡先 | 南山大学社会倫理研究所 〒466-8673 名古屋市昭和区山里町18 Tel: (052)832-3111(内線3413,3414) Fax: (052)832-3703 E-mail: ise-office@ic.nanzan-u.ac.jp |
*本研究所主催懇話会では、記録のために写真撮影と録音を行なっております。 |