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南山大学社会倫理研究所2020年度第1回懇話会
2020年05月13日
2020年度第1回懇話会(設立40周年記念シリーズ懇話会1:「社会的レジリエンス」研究プロジェクト)開催のお知らせ
下記の通り懇話会を開催致しますので、ご案内申し上げます。 どなたでも参加は自由(無料)です。参加に際しては、事前に受付フォームよりお申し込みください。(定員20名)受付を終了しました
日時 | 2020年5月23日(土) 14:00~17:30 | ポスターを見る |
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開催形式 | オンライン(Zoomミーティングを使用:詳細は参加申込者に直接お伝えします) | |
共通テーマ | レジリエンスを社会問題にどう適用するか | |
全体趣旨 | 私たちは不確実性に満ちた世界に生きています。地球温暖化、テロリズム、戦争、地震・洪水等の自然災害、そして昨今では新型コロナウィルスの世界的流行(パンデミック)は、私たちの社会の脆さを改めて浮き彫りにしています。こうした未曾有の危機を前にすると、私たちは過度に悲観/楽観の立場に偏ってしまいがちです。しかし、いま私たちに必要なのは、未来が持つ本質的な不確実性をただ嘆いたり、危機から目を背け続けるのではなく、コントロール可能な範囲でいかに危機に立ち向かっていくかという私たち自身の姿勢ではないでしょうか。 この懇話会では、私たちが危機に立ち向かうための基本概念として、「レジリエンス」に注目します。今回はお二人の講師の先生をお招きし、環境や地域の危機へのレジリエンスの応用例について、お話し頂きます。その上で、社会の〈しなやかさ〉や、危機への〈対応能力〉をどのように育むかといった実践的な課題や、レジリエンス概念をめぐる哲学的な課題等について、議論を深めたいと思います。 |
演題1 | 地域社会のレジリエンスと転換能力:学際研究・教育のためのレジリエンス思考 |
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報告者1 | 市原あかね(いちはら・あかね)(金沢大学 人間社会研究域 経済学経営学系 教授) |
趣旨 | 時代遅れと思われているマルクスのカテゴリー(労働過程と価値増殖過程、生産様式、弁証法など)とレジリエンス思考、パナーキー論のつながりを紹介し、社会と環境をとらえる枠組みを紹介します。それをふまえて、危機と変化の時代に地域をどうとらえ、どう大学カリキュラムを構成するか、提案します。 |
演題2 | レジリエンスを考える:アフリカにおける食と栄養の安全保障 |
報告者2 | 梅津千恵子(うめつ・ちえこ)(京都大学 農学研究科 生物資源経済学専攻 教授) |
趣旨 | 地球規模の環境変動に対する懸念が拡大する中、食と栄養の安全保障について、将来の気候変動に対する短期的および長期的な適応策が求められている。中でも生業を脆弱な天水農業生産システムに依存する半乾燥熱帯地域の小規模農家にとっては、不安定な農業生産が食事と栄養状態の季節変動に直接影響を与えている。南部アフリカの農家世帯の食と栄養の安全保障を通じた世帯と地域のレジリアンスを考える。 |
討論者 | 奥田太郎(おくだ・たろう)(南山大学 社会倫理研究所 第一種研究所員) |
司会 | 篭橋一輝(かごはし・かずき)(南山大学社会倫理研究所 第二種研究所員/国際教養学部 准教授) |
報告者紹介 | |
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市原あかね | |
《略歴》 | 1990年、東京農工大学連合農学研究科博士課程修了。博士(農学)。2005年6月より、金沢大学経済学部 教授。現在、金沢大学人間社会研究域経済学経営学系 教授。 |
《専門領域》 | エコロジー経済学、環境思想 |
《主要著書》 | 「共生社会と土地の意義、社会観の転換----経済学からのアプローチ」(『共生社会Ⅰ 共生社会とは何か』尾関周二他編、農林統計出版、2016年、第Ⅱ部第6章)。 「林野利用をめぐる白山ろくの現状と展望----全国と石川県の木質燃料生産を含む林業関連動向をふまえて」(『平成合併を検証する 白山ろくの自治・産業・くらし』横山壽一他編、自治体研究社、2015年、第4章)。 「共進化の視点に立った統合型環境政策」(『新版 環境と人間の経済学』桂木健次他編著、ミネルヴァ書房、2005年、第2部第4章)。 |
梅津千恵子 | |
《略歴》 | 1995年、ハワイ大学農業資源経済学博士課程修了。博士(Ph.D. in Agricultural and Resource Economics)。1997年に神戸大学大学院自然科学研究科専任助手、2002年に総合地球環境学研究所准教授、2012年に長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科教授を経て、2016年4月より京都大学大学院農学研究科教授。 |
《専門領域》 | 環境資源経済学、応用ミクロ経済学、レジリアンス、水資源管理、食料安全保障 |
《主要著書》 |
"Measuring the efficiency of collective floodplain aquaculture of Bangladesh using Data Envelopment Analysis", Aquaculture, 503: 537-549, 2019. |
奥田太郎 | |
《略歴》 | 京都大学大学院文学研究科博士課程、単位取得満期退学。博士(文学)。2003年、南山大学社会倫理研究所第一種研究所員(人文学部講師)、2007年、同准教授を経て、2016年より同教授。2018年より社会倫理研究所長。 |
《専門領域》 | 哲学、倫理学、応用倫理学 |
《主要著書》 |
『倫理学という構え:応用倫理学原論』(単著、ナカニシヤ出版) |
主催 | 南山大学社会倫理研究所 |
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共催 | 科学研究費助成事業「レジリエンスの倫理的妥当性を支える持続可能性と補完性に関する社会倫理学的研究」(基盤研究(B)、研究代表者:奥田太郎、研究課題番号:19H01189) |
連絡先 | 南山大学社会倫理研究所 〒466-8673 名古屋市昭和区山里町18 (*愛知県緊急事態宣言を受け、5月31日まで休室中につき、以下のメールアドレス宛にお問い合わせください。 E-mail: n-ise@ic.nanzan-u.ac.jp |
*本研究所主催懇話会では、記録のために写真撮影と録音を行なっております。 |