活動/イベント イベント情報 懇話会
南山大学社会倫理研究所2021年度第1回懇話会
2021年06月08日
2021年度第1回懇話会(「企業・人権・倫理」研究プロジェクト)開催のお知らせ
下記の通り懇話会を開催致しますので、ご案内申し上げます。 どなたでも参加は自由(無料)です。参加に際しては、事前に受付フォームよりお申し込みください。(定員30名:締切:懇話会終了時)
日時 | 2021年6月27日(日) 14:00~17:00(接続可能時間13:50) | ポスターを見る |
---|---|---|
開催形式 | オンライン(Zoomウェビナー) | |
共通テーマ | SDGsと食 〜いかなるフードシステムが持続可能か | |
全体趣旨 | SDG2「飢餓をゼロに」という目的は、現に多くの人々や集団に共有されているものだと思われるが、一方で、そこに至るまでには様々な道筋がありうる。多国籍企業に見られるような、農業生産を効率化する全体重視のアプローチもあれば、家族農業により大きな権限を与えるべきだというローカル重視のアプローチもある。これらの立場の衝突を解消するのは一見して困難に思われるが、この衝突が解消されないままでは、「飢餓をゼロに」という目的の実像も曖昧なままになってしまうだろう。私たちはどのようにこの目的を捉えればよいのだろうか。 本懇話会では、WFP国連世界食糧計画日本事務所で民間連携担当マネージャーを務めておられる大室氏をお招きし、グローバルなガバナンスの観点から国連の実務の実情についてお話を伺い、また、日本における食農倫理学の第一人者である太田氏をお招きして、持続可能なフードシステムについて、食に関する倫理的な視点からお話いただき、参加者のみなさんとの討論を交えてSDGsと食についてじっくりと考えてみたい。 |
演題1 | 国際食料支援がもたらすインパクト |
---|---|
報告者1 | 大室直子(おおむろ・なおこ)(WFP国連世界食糧計画日本事務所 民間連携担当マネージャー) |
趣旨 | 世界中で飢餓に苦しむ人は11人に1人。昨年からの新型コロナウイルスの影響で、さらなる悪化が予想される。2030年までの国際的目標SDGsの目標2「飢餓をゼロに」を達成するには、現場では食料支援の大幅な変革と効率化がもとめられ、同時に多くの異なるセクターの協力が必須である。本講演では、食料支援が地元の人々へもたらすインパクトについて、実例を交えて提示する。 |
演題2 | フードスケープをつなぐ:望ましい食について論じる場を作る一手法 |
報告者2 | 太田和彦(おおた・かずひこ)(南山大学 総合政策学部 准教授) |
趣旨 | フードシステムの持続可能性の向上にあたり、関係者の分野横断的な連携の重要性は、今日様々な場面で強調される。しかし、フードシステムに関与する利害関係者の問題関心や、望ましいあり方を表現する際のナラティブ(語り方)は一様ではない。本報告では、地域の統合的な食料政策の作成にあたり、自身のナラティブへの顧慮を促しながら議論を進める手法としてフードスケープを提起する。 |
討論者 | ウィニバルドス ステファヌス メレ(南山大学 社会倫理研究所 第一種研究所員/准教授) |
司会 | 篭橋一輝(かごはし・かずき)(南山大学社会倫理研究所 第二種研究所員/国際教養学部 准教授) |
報告者紹介 | |
---|---|
大室直子 | |
《略歴》 | 2004年青山学院大学国際政治学科卒業後、2006年米国クラーク大学大学院 国際開発と社会変容修士修了。2007年財団法人結核予防会における海外駐在を経て、2011年WFP国連世界食糧計画に入職。セネガル国事務所、在バンコク・アジア地域事務所などを勤務後、2019年1月より現職。 |
《主要著作》 |
「結核対策から見える人間の安全保障 : 保健医療協力のあり方へのインプリケーション」共著、国際協力機構国際協力総合研修所調査研究グループ、2007年 |
太田和彦 | |
《略歴》 | 2013年、東京農工大学連合農学研究科修了。博士(農学)。Soil Survey Inventory Forum研究員、総合地球環境学研究所FEASTプロジェクト研究員を経て、2021年より現職。 |
《専門領域》 | 食農倫理学、環境倫理学 |
《主要著書》 | 4章「土地倫理」、12章「食農倫理学」吉永明弘・寺本剛編『環境倫理学 3STEP』昭和堂、2020年。 (邦訳)P.B.トンプソン『〈土〉という精神:アメリカの環境倫理と農業』農林統計出版、2017年。 (邦訳)P.B.トンプソン『食農倫理学の長い旅:〈食べる〉のどこに倫理はあるのか』勁草書房、2021年。 |
ウィニバルドス ステファヌス メレ | |
《略歴》 | ロンドン大学大学院法学研究科修士終了、同大学法学研究博士課程終了。博士(法学)。2019年9月より現職。 |
《専門領域》 | 国際人権法(企業と人権) |
《主要著書》 | "Recent Trend Toward a Balanced Business and Human Rights Responsibility in Investment Treaties and Arbitrations", International Journal on Human Rights and Business, Vo.4, No.2, 2020, pp. 1-16. 「倫理的で持続可能な事業活動の環境・人権デュー・ディリジェンスの重要性 -インドネシアのパーム油生産業の事例」『生命と倫理』第8号、2021年、21-34頁。 |
主催 | 南山大学社会倫理研究所 |
---|---|
共催 | 科学研究費助成事業「レジリエンスの倫理的妥当性を支える持続可能性と補完性に関する社会倫理学的研究」(基盤研究(B)、研究代表者:奥田太郎、研究課題番号:19H01189) |
連絡先 | 南山大学社会倫理研究所 〒466-8673 名古屋市昭和区山里町18 E-mail: ise-office@ic.nanzan-u.ac.jp |
*本研究所主催懇話会では、記録のために写真撮影と録音を行なっております。 |