研究プロジェクト プロジェクト一覧
「ガバナンスと環境問題」研究プロジェクト(2009年-)
2009年03月17日
「ガバナンスと環境問題」プロジェクトは、2008年9月のプレ・シンポジウムを契機に、2009年度から本格的に始動した長期大型研究プロジェクトです。この研究プロジェクトは、人間社会が深刻な環境危機に直面しているにもかかわらず、それに対応する適切な対策が得られていないのではないか、という現実認識のもと、対策の決定プロセスが問題の性質に適合していないのではないか、という問いとともに開始されました。
現在私たちが直面している環境危機(気候変動、生物多様性問題、砂漠化)は、それ以前の汚染問題と比較した際、(1) より複雑に、より密接に、現代の生活様式や生産・消費の形式につながっており、(2) 貧困等の他の問題との関連性が深いため、問題として個別に取り上げるのは適切ではなく、(3) 各地域の人びとの身近な自然との関わり方に大きく影響されるため、グローバルな問題でありながらローカルなレベルの視点と取り組むが欠かせない、という特徴がある、と考えられます。
こうした見立てのもと、第一期(2009-2010年)は、環境危機への対策をめぐる合意形成の側面に着目して、国際環境条約とローカルな視点との相互関係を探求することが、主たる課題となりました。続く第二期(2011-2013年)は、現代の環境危機の起源を産業革命期に探ろうとする「経済と環境問題」が主たる課題となりました。
この研究プロジェクトを推進するなかで、オーストラリアを発祥の地とする「ランドケア」の取り組みとの研究・実践両面における連携が可能となり、現在、ランドケア研究ネットワークの構築が進められています。