研究プロジェクト プロジェクト一覧
「「国際社会」と倫理」研究プロジェクト(2013年-)
2013年03月16日
この研究プロジェクトは、2004年から2007年にかけて企画運営された「公正と平和」研究プロジェクトと、2007年から2012年にかけて企画運営された「保護する責任」研究プロジェクトの二つの中期的研究プロジェクトを一つに合流させ、より広がりのある視点から国際社会と倫理の問題について研究していこうとするものです。
前身となる「公正と平和」研究プロジェクトは、2004年に立案され、2007年にかけて実施されました。抑止力による安全保障という発想のオルタナティヴを求めて、日本の国際関係について国内の研究者との交流・ネットワーキングを深め、それに基づきながら、米国に対して共通した国際関係をもつと思われるオーストラリアの研究者・実践者を招いた国際ワークショップを開催しました。それらの成果を整理して、日英両言語で、アジェンダ・パンフレットと論文集を刊行しました。
もう一つの前身、「保護する責任」研究プロジェクトは、2007年から2012年にかけて、「目前にある人道上の危機に対する武力行使の正当性」をめぐる議論動向、とりわけ「保護する責任」について、国際法学、国際政治学、法哲学、倫理学などの多様な立場から検討を加え、武力行使をめぐる問題が「責任」の問題として取り上げられることの意義と問題点について考察する学際的取り組みとして企画運営されました。関連する領域の専門家を招いた懇話会や、共同研究者との研究会を重ねるなか、共同研究の成果は、社会倫理研究所の学術機関誌『社会と倫理』第22号と第27号で特集という形で発信されました。
現在、これら2つの前身研究プロジェクトの趣旨を発展的に統合して、「「国際社会」と倫理」研究プロジェクトが企画運営されています。国際政治における倫理の問題を問うとともに、そこに登場する「国際社会」とはいかなるものかをも問おうと試みられています。