研究活動 過去の活動報告
映画上映会と解説「カーンチワラム:サリーを織る人」実施
2016年12月17日
[日時]2016年12月17日(土)、13:30~16:30(13:00開場)
ポスターダウンロード |
[会場]南山大学名古屋キャンパス E棟EB1教室
[協力]MINDAS(南アジア地域研究国立民族学博物館拠点)
[プログラム]
13:30 挨拶
A・サガヤラージ(南山大学人類学研究所・准教授)
13:35 『カーンチワラム:サリーを織る人』上映
15:30 休憩
15:35 映画解説
杉本良男(国立民族学博物館・名誉教授)
16:00 フロアを交えた質疑応答
16:30 閉会
[作品紹介]
2008年/インド・タミルナードゥ州制作/117分
タミル語(日本語・英語字幕付き)
監督/プリヤダルシャン
出演/プラカーシュ・ラージ、シュリヤ・レッディ
[報告]
本作は、インド独立直後の1948年、シルク・サリー生産で有名な南インド、タミルナードゥ州カーンチワラム(カーンチ―プラム)を舞台に、手織りシルク・サリー職人が悲惨な労働環境のもと、貧困にあえぎ、権力にはげしく抵抗しながら生活を改善しようと奔走するすがたをリアルに、美しい画像で描いた作品である。2008年度インドの最優秀作品賞に輝いたほか、海外でもいくつかの賞を受賞している。
映画上映後に、長年にわたって当地でフィールドワークをしている杉本良男氏(国立民族学博物館・名誉教授)が、国内有数のシルク・サリー産地となったカーンチワラムの歴史や、現代ファッションとしてサリーが消費されるようになるなかで、シルク・サリー職人の仕事が立ち行かなくなってきている現状について解説した。
フロアからは、職人とカーストの関係、インドにおける伝統の保護政策に関する質問がなされた。当日は約70名の参加者があった。アンケートでは、ハッピーエンドではない内容についての悲しさ、辛さ、やるせなさを訴える感想も多かったが、主人公の職人として、夫や父として、革命家としての多面的な生き様が、インドの歴史社会をよく照射しており、理解を深める一助になったのではないだろうか。
司会のA・サガヤラージ准教授 | 杉本良男氏による作品解説 | 多くの学生さんが来てくれました |