研究活動 活動報告
(共催)東アジア人類学研究会20周年記念大会
2023年12月26日
東アジア人類学研究会20周年記念大会
日 時:2023 年 12 月 26 日(火)14:15-17:20、27 日(水)9:30-16:30
会 場:12月26日:南山大学 G 棟 G27 教室
12月27日:南山学園研修センター大ホール、第 4 会議室
主 催:東アジア人類学研究会
共 催:南山大学人類学研究所、人間文化研究機構「海域アジア・オセアニア」研究事業
【参加登録】対面オンラインでの参加いずれの場合でも、下記フォームより12月18日17:00までにご登録ください。
https://forms.gle/ebB3D4HFyZmnyzF58
*今大会では26日に南山学園の研修センターに宿泊することが可能です。いずれも個室でバス・トイレ共用です(宿泊料:3200円)。一部、バス・トイレ付の個室もあります(宿泊料:5200円)。尚、部屋数には限りがあり先着順といたしますので、ご希望の方は早めのフォームの提出をお願いいたします(部屋のタイプは原則、選べません)。
宿泊の受付は終了しました。登録フォームで宿泊を希望なさってもご予約できませんので、その点ご留意ください。
*お子様と過ごせるスペースとして26日は会場近くの教室、27日は建物内の休憩室が使用できますのでフォーム内設問でお子様と共に参加する旨とお子様のご年齢をお答えください。原則小学生限定ですが、その他の年齢も対応いたしますので、ご相談ください。
*締め切り後、ご登録いただいたメールアドレスにZoomのミーティングURLを送信いたします。もしメールが届かない場合は、お手数ですが以下の連絡先までお問い合わせください。
お問い合わせ先:東島宗孝(higashishuko[at]gmail.com)
プログラム:
【12 月 26 日】
14:15-14:20 開会の辞:渡邊欣雄(東京都立大学名誉教授)
14:20-17:20 20周年記念シンポジウム「東アジア人類学のこれからを考える」
(司会:稲澤努&河合洋尚)
<第Ⅰ部問題提起>14:20-16:00
趣旨説明:河合洋尚(東京都立大学)
パネリスト1 藤野陽平(北海道大学)
パネリスト2 奈良雅史(国立民族学博物館)
パネリスト3 小林宏至(山口大学)
パネリスト4 宮脇千絵(南山大学)
パネリスト5 櫻田涼子(育英短期大学)
<第Ⅱ部コメント&議論>16:10-17:20
コメンテーターによる議論・情報提供
コメンテーター:加賀谷真梨(新潟大学)
諸昭喜(国立民族学博物館)
神野知恵(国立民族学博物館)
フロアからの質問・意見
【2日目2023年12月27日(水)】
午前の部
◆◆A会場(第4会議室)◆◆
研究動向紹介(1)(9:30-10:15)
*1人15分(発表10分質疑応答5分)
・ 9:30-9:45 渡邊泰輔(東京都立大学大学院)
櫻井想2023『天津の鬼市:路上古物市場をめぐる〈空間〉と〈場所〉の人類学』風響社
・9:45-10:00 神宮寺航一(東京都立大学大学院)
G.マシューズ2021『チョンキンマンション:世界の真ん中にあるゲットーの人類学』青土社
・10:00-10:15 于嘯(山口大学大学院)
ノエル・キャロル(高田敦史訳)2022(1990)『ホラーの哲学:フィクションと感情をめぐるパラドックス』フィルムアート社
個人発表(1)(10:20-11:50)
*1人45分(発表20分コメント3~5分残り時間ディスカッション)
・10:20-11:05 花野千尋(新潟大学大学院)
「人口減等により消滅した集落での信仰に関する事物への人々の対応と意識」
コメンテーター:藤川美代子
・11:05-11:50 宮本皓平(慶應義塾大学大学院)
「生成する寺院空間―南タイの仏教聖者ルアンプートゥアッドと少年霊アイカイを事例として」
コメンテーター:岡部真由美
◆◆B会場(大ホール)◆◆
研究動向紹介(2)(9:30-10:15)
*1人15分(発表10分質疑応答5分)
・9:30-9:45 曾力(山口大学大学院)
金露2016『遺産・旅游・現代性:黔中布依族生態博物館的人類学研究』浙江大学出版社
・9:45-10:00 張平平(北九州市立大学)
張平平2023『チベット高原に花咲く糞文化』春風社
・10:00-10:15 山内健治(明治大学)
泉水英計編著2022『近代国家と植民地性:アジア太平洋地域の歴史的展開』御茶ノ水書房
個人発表(2)(10:20-11:50)司会:戴寧
*1人45分(発表20分コメント3~5分残り時間ディスカッション)
・10:20-11:05 刀保媛(南山大学大学院)
「タイ族の伝統的なイレズミ」における集合的記憶:中国雲南省徳宏州タイ族を中心として」
コメンテーター:張平平
・11:05-11:50 侯建衛(東京都立大学大学院)
「集団主義と個人主義:中国貴州省におけるトン族の「いろり空間」の変遷」
コメンテーター:川瀬由高
27日午後の部
◆◆A会場(中会議室)◆◆
個人発表(3)(13:00-15:40)
*1人45分(発表20分コメント3~5分残り時間ディスカッション)
・13:00-13:45 永尾陽(明治大学大学院)
「戦後沖縄の「終わらない闘争」に関する聞き取り調査」
コメンテーター:西川慧
・13:45-14:30 呉佳穎(北海道大学大学院)
「SNSの時代における少数民族観光:中国貴州省西江千戸苗寨を実例―」
コメンテーター:横田浩一
《休憩15分》
・14:45-15:30 三井柚奈(南山大学大学院)
「「棒球」文化から「台湾」を見る:台湾野球に関する文化人類学的研究」
コメンテーター:河合洋尚
◆◆B会場(大会議室)◆◆
個人発表(4)(13:00-16:15)
*1人45分(発表20分コメント3~5分残り時間ディスカッション)
・13:00-13:45 野口真花(南山大学大学院)
「持続可能な観光の考察:バリ島プンリプラン村を事例として考える」
コメンテーター:櫻田涼子
・13:45-14:30 新井真帆(慶應義塾大学大学院)
「地域社会における外国につながる人々のインクルージョンと夜間中学に関する考察」
コメンテーター:戴寧
《休憩15分》
・14:45-15:30 山本高之(南山大学大学院)
「「誰」がアイヌ文化を観光に活用するのか――阿寒湖アイヌコタンの木彫り作家から考える観光実践の担い手の差異」
コメンテーター:奈良雅史
・15:30-16:15 小林宏至(山口大学)
「民俗知識のアナログ的可能性:音律・風水・親族を手掛かりに」
コメンテーター:山内健治
・閉会の辞:稲澤努
【東アジア人類学研究会幹事】
石井花織(東北大学東北アジア研究センター学術研究員)
戴寧(東京都立大学社会人類学分野専門研究員)
東島宗孝(慶應義塾大学大学院後期博士課程)
報 告:
東アジア人類学研究会の20周年記念大会が人類学研究所との共催で、南山大学で2日間にわたって開催された。
1日目は南山大学において20周年記念シンポジウム「東アジア人類学のこれからを考える」がハイブリッドで開催された。「いま東アジア人類学にどういう課題があるのか」という河合氏の趣旨説明による問いかけに対し、中国とイスラームの交叉(奈良氏)、服飾の脱地域的な流通や消費(宮脇氏)、サイバー空間の生成と境界性(藤野氏)、移民やオンラインなどのマルチサイト民族誌(小林氏)、華僑華人研究の再考(櫻田氏)など、5名のパネリストが東アジア研究を越えた東アジア人類学の構築に関し発表をおこなった。その後、沖縄の事例から(加賀谷氏)、韓国・台湾の事例から(諸氏)、韓国・日本の事例から(神野氏)のコメントが寄せられた。
2日目は会場を南山学園研修センターに移し、1日かけて17名の研究動向発表・個人研究発表がおこなわれた。若手を含めた意欲的な研究発表のひとつひとつにコメンテーターもつき、各回活発な議論が交わされた。
東アジア人類学研究会の大会を南山大学で開催するのは2015年以来8年ぶり2度目であったが、全国各地から多くの人が集まり、充実した議論をおこなうことができた2日間であった。(文責:宮脇千絵)