研究活動 活動報告
(共催)講演会&コンサート「ユネスコ無形文化遺産・南音と古琴の世界を訪ねる」
2024年01月28日
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(共催)講演会&コンサート「ユネスコ無形文化遺産・南音と古琴の世界を訪ねる」
日 時:2024年1月28日(日)、15:30 ~ 17:00
会 場:南山大学R棟1階 フラッテンホール
主 催:外国語学部アジア学科
共 催:人類学研究所
講 師:蔡雅藝、陳思来
(通訳)王維(長崎大学多文化社会学部・教授)
お問合せ:外国語学部アジア学科合同研究室
*申し込み不要、参加無料。
プログラム:
15:30:開会挨拶 中裕史(南山大学外国語学部アジア学科・教授)
15:35:講演・演奏 蔡雅藝、陳思来
16:45:質疑応答
17:00:閉会
(司会進行:張玉玲(南山大学外国語学部アジア学科・教授))
演奏曲:(曲目変更の可能性あり)
・瀟湘水雲(古琴) 陳思来
・霏霏颯颯(南音) 蔡雅藝(琵琶&歌)・陳思来(洞蕭)
・流水(古琴と南音) 陳思来(古琴)蔡雅藝(洞蕭)
・四宝(打楽器)と琵琶
趣 旨:
南音と古琴とは、ユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に登録された中国伝統音楽である。
現存する最古の漢民族音楽とされる南音は、華僑の故郷としても知られる中国泉州を発祥地とする。泉州は、かつて東アジアにおける交通の要所で、様々な民族、文化、宗教が行き交う国際色豊かな町であり、このような泉州を舞台に、南音は古代中原の(歌舞、詩曲、劇)音楽と密接に関わりながら、地域の他の音楽と融合していった。また、福建出身の華人の移住とともに南音は、東南アジアなどの地域にも広く伝わっている。一方、古琴は、平安時代に大陸から日本にも伝来し、平安貴族の間で愛されていた。一時的に衰退していたが、江戸時代に日本に渡来した東皋心越禅僧が、長崎興福寺を通して、古琴音楽を蘇らせた。心越は古琴、書画、篆刻などの中国文化を日本に伝え、日本の古琴楽の中興の祖ともされる。
報 告:
1月28日にR棟フラッテンホールで、外国語学部アジア学科主催、人類学研究所共催の講演会&コンサート「ユネスコ無形文化遺産 南音と古琴の世界を訪ねる」が開催された。南音と古琴は、長い歴史を持つ漢民族の代表的な音楽であり、2009年にユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に登録された。約210名の参加者は、国際的に活躍されている南音伝承者の蔡雅藝氏、古琴奏者の陳思来氏が奏でる中国音楽の美しい音色を楽しんでいた。
質疑応答の時間に、特に「四宝」の様々な音の奏で方について掘り下げた質問がなされた。「四宝」は竹でできた南音の打楽器で、繊細な音から力強い音、震えるような細かな音も奏でられていた。右下の写真で中央の蔡氏が演奏しているのが「四宝」である。(文責:張玉玲)